僕等はここにいる
□浮遊閑話
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1 浮遊閑話
『な〜んでこんなことになってんのかねぇ・・・』
俺はため息を一つ吐きながら首を傾げた。
とは言っても、それがちゃんと息になってるのかは怪しい。
何せ今の俺の身体は反対側がうっすら見えるぐらい透けているからだ。
俺は確かに瘴気中和で消えるはずだった。
しかし何故かはわからないが気づいた時には『思念体』として、この世界に留まっていた。
『・・・・神様ってのは残酷だよなぁ』
有神論者でも無神論者でもないが、いるならそうだと思う。
消えることが望みだったのに。
まぁ誰にも見えないし触れないっぽいからいないのと同じだろうが。
(何人かには見えるらしく「お、おおおばけぇ〜!!」とか叫びながら逃げていったけど。当たらずしも遠からず?)
ともかく俺には意識があってこの世界に留まってる。
・・・さて、これからどうしようか。
ただ浮いてるのも暇だよな。
う〜ん・・・・。
『・・・適当にぶらつきますか』
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